COCOWINがパンを作るわけ
心豊かな経済発展の道を!
日本では、遠い国にしか育たない植物や農作物で、本当にたくさんの材料と手間をかけて作られたものでも、安価で手軽さが求められます。「もったいない」が世界の合言葉になったのはいつの日の事だったでしょうか…。
日本の課題と途上国の課題を、どうすればいっしょに解決できるのか…、私達の最大の関心事です。
プロジェクト開始当初、日本はココナツオイルの話題でいっぱいでした。開発にも生産にも時間がかかってしまい、全く波についていけなかった私たちでしたが、村の人たちが元気になり、高い目標に向かって努力を重ねたプロセスに、たくさんの宝物を得ることができました。
研究段階から多くの皆様にご協力や応援を頂き、「心の豊かさ」をミャンマーと日本で共有することができたと思います。ただ、私たちには「経済的に豊かになる」という目標がありますので、収入につながらない、売れなくなったらやめる、という事では村に変化をもたらすことはできません。
オイルが多くの方にご好評いただいている間に、次の一手としてココナツオイルを使った手作りパンを研究しはじめました。パンの石窯も手作りし、燃料も炭火を使って、いずれミャンマーの村でも作れる加工品や販売の一例となることを意識した計画でした。
ひとつ作ったら、それを材料に加工して商品化する、販売してお客様と直接やり取りをする、人とのつながりを更に広げていくことで互いが幸せになれる…。経済発展とともに心も豊かになっていけるビジネスモデルを、私たちがまずその実践をして示し、新しいアイディアもどんどん生み出していきたいと考えています。
COCOWIN石窯パン工房の想いと冷凍便
誰かのため、この人のため
パンは通常大量に生産するものです。採算も合いませんしね。食べる方もあっという間に食べたら終わりです。たかがパン…ですが、自分ひとりでパンを作ろうとしたら、実はとてもたいへんなことだと思います。
小麦の種を植えるところから想像してみてください。9月から翌年7月までかかります。小麦だけのシンプルなパンならまだしも、砂糖やクリームや色んな材料のパンだったらどうでしょう。
今、スーパーでもコンビニでも、町のパン屋さんでも、どこに行っても安いパンがたくさんあります。COCOWINのプロジェクトからパン作りをはじめて、「こんなにパンが安くできるわけがない!」とよく思うようになりました。
自分達のパン工房でみる事はない材料や成分がたくさんで、ミャンマーでココナツオイルを作ってくれている村の人たちのような熱い思いは感じられません。どこの誰が作ったか分からないものばかりです。
自分達が物を作って売るなら、誰かがどこかで買うようなものではなくて、”この人”のために作って、その方も、「あの人が作ってくれた」と思ってもらえるような関係でいたいと思います。ココナツオイルを日本の皆さんのためにと作ってくれた村のみんなの想いをそのままパンにしたいと思いました。何を使ったか表示もしなくてよくて、来るかどうか分からないお客さんを待って、余ったら捨てるパンじゃなくて…。
村を訪れた日本人が、「COCOWINパン美味しかったよ!」って、すぐに心をむすぶ役割を担うようなパン、です。
食べて頂く方も、遠くミャンマーで作られるココナツオイルに想いをはせて下さるような方だけに食べて頂こうと考え、店頭売りはやめて、会員制の通信販売にしました。
そして、心こめたら美味しくなければいけません。焼き立てのパンは炊き立てのごはんと同じく美味しい!冷めてぱさぱさのごはんは空しくなる…。日本全国遠いところから応援してくださる皆様になんとか少しでも美味しいパンを食べて頂きたい、と、考えたのが、冷凍パンでした。すべては手作業ですが、焼き立てを冷凍にしてお届けすることになりました。