Coconut Oilを作る小さな村
一生懸命働く日本の皆さんが
明日も元気でいられるように
一生懸命作ります
ミャンマーの村の素晴らしさは功徳の精神。リーダーは常に個人の収入も村や子ども達に還元
プロジェクト導入
2015年3月
ミャンマーのエヤワディ州といえば、デルタ地帯とあって、毎年土が入れ替わるため全国一を誇る米どころです。亜熱帯地域の雨期は、村中が川になり、高床に作った家は、小舟で移動できるほど水位があがる事もあります。ココナツオイルを作っている村では、田んぼを所有している人が少なく、小作人として手伝いをするか、畑で野菜を作る人が多くいます。
食べ物を作っているからこその、正直な思いだったと思います。「やるだけはやってみる、でも、こんな田舎で我々が作るものなんか、世界一の技術と品質を誇っている日本に出せないんじゃないか…」。村のリーダーと村の将来を語り合い、次の世代のために一緒にやろうとプロジェクトがスタートしました。
器械の使い方、衛生管理、作り方
2015年4月
ココナツはミャンマーにたくさんあり、加熱して作るココナツオイルは昔からあります。髪の油や、燃料にしたり…。しかし、ミャンマーでは料理に使う事はありません。お菓子に時々使うだけ。クセが強く、体にあまり良くない油と認識されていました。そこは、日本の情報と同じく、加熱したオイルと低温非加熱の油は全く成分が異なり、健康にも良い・悪いが両極端です。
他の東南アジアの国では手に入る、ココナツの実を削る器械も手に入りません。また、低温で油を分離させ、ろ過するといった工程に馴染みもなく、衛生意識から学んでもらわなければいけません。
地道な作業を一つひとつ実習して、試作から安定生産まで2年を要しました。通年作ることはできますが、年に1度、3~4月頃の生産が一番良いオイルができる事がわかり、現在も年に1度限られた量しか生産していません。
良質の材料
ココナツの実-1
ココナツオイルの材料は、ココナツの実だけ。ココナツには色んな種類があり、時期によって実の状態は刻々と変わります。雨季・乾季を問わず実を採る事はできますが、成長具合や季節によってオイルの仕上がりが全く違います。
現在、ミャンマーでは外国企業がココナツの実をあちこちの村で次々に買収しています。そうした村ではココナツの果肉を乾燥させた「コプラ」にして取引しているようです。工場産のココナツオイルの原料です。油を効率よく採れるようにする処理ですが、直射日光で油は酸化し、重量で買い取られるため痛みのある実でもお構いなしに使っています…。私たちの村の仲間は、自分達のオイルとの違いを目の当たりにし、自信たっぷりに、頑固なまでに材料の選別にはこだわりをもって取り組んでいます。
材料のロス率25%
ココナツの実-2
厳選した仕入れ先の村から、厳選した実を仕入れても、自然に育つココナツの実は全て同じように実りません。ココナツの実は、高い木から落ちても割れる事がないほど固い殻に包まれています。日本人の体験会では、若い男子が30分かけても1個割ることができなかったほど、力もコツも必要。見た目に立派な実であっても、やっと殻をはずして割ってみると中が傷んで茶色くなったり、熟れすぎて全体がクリーム色っぽく柔らかくなっていたり、芽が出始めていたりと、オイルづくりには適さない実が2割以上もあります。工場産のコプラのように、傷んでいても熟れていても使う、または、傷んだ所だけ除いて他の白い部分を使う、ということも私たちのオイルづくりではしません。
全てきれいに真っ白で、若すぎず、熟れすぎず、しっかりした実のみを使うためロスはとても多いのですが、良質なオイルの品質を守る事ができています。
日本の食品分析
純生椰子油
COCOWINのココナツオイルは、「COCOWIN純生椰子油」という製品名で、ミャンマーで商品登録しています。日本の日本食品分析センターの分析結果で、枯葉剤や残留農薬/ヒ素や重金属など健康を害する成分:検出せず、細菌/大腸菌/カビ等:問題無、飽和脂肪酸:87.8% (内)70%が中鎖脂肪酸(バージンココナツオイル特有のラウリン酸をはじめとする、カプリル酸、カプリン酸など、健康に素晴らしい働きをする成分)、一般の油に多く含まれ健康を害するといわれるトランス酸/コレステロール:検出せず、という結果を受けています。また、一般のココナツオイルや大手メーカー向けに商社が取り扱うオーガニック認証をうけたココナツオイルの数値と比較して、ココナツオイルが体に良いとされる成分に高い数値を出しており、酸化を示す数値が極めて低いフレッシュなオイルであることが示されました。(詳細はこちら)
村の功徳、得たものは次の人に…
誰かのために…
私たちのココナツオイルは決して安価ではありません。しかし、1年に1度、1~2ヵ月の期間だけ、わずかな量を生産し、ハンドキャリーで輸入手続きをしているものです。たくさんの収益にはなりませんし、村の生活水準を急激に変えるような報酬も出していません。まず、村の人たちが受け取らないのです。外国と繋がりができれば金になる、という国の風潮を決して良いこととは思っていないのです。日本と繋がりができた村だからこそ質の良い物が作れ、頑張った分だけ村全体の生活が少しずつよくなる状況につなげたいと思ってくれているのです。リーダーは、自分の収入分で道路を作ったり、子ども達に食事提供をしたり、皆さんもそれを手伝って一緒に村をよくしています。1年に1度、日本人の皆さんと村を訪れ交流する会を継続していますが、変わらない田舎の温かさをいつも感じることができています。